日本とは違う!ベトナムで親しまれているコーヒーの飲み方とは!?

あなたはベトナムと聞いて
思い浮かべるものはなんでしょうか?

私の場合、米粉でつくられた麺のベトナムの定番料理フォーや、
好き嫌いがはっきりわかれる香辛料の一種パクチー(コリアンダー)、
ベトナム美人が着ている伝統的な民族衣装アオザイのイメージが強いです。

一般的には広まっていないのですが、
ベトナムでも独特の発展を遂げたコーヒーの文化が存在しています。

今回はベトナム独特のコーヒーの入れ方について、
ご紹介していきたいと思います。

世界第2位のコーヒー生産・輸出国のベトナム

そもそもベトナムコーヒーとはどんなものなのでしょうか。

ブラジルやエチオピア、コロンビアのような国名の
コーヒーの銘柄だと思う人もいるでしょうが違うんです。

ベトナムコーヒーとは、ベトナムで親しまれている
ベトナム式のコーヒーの淹れ方(作り方)を意味しています。

ベトナムにコーヒーのイメージがない方はたくさんいると思います。

ベトナムはもともとフランスに統治されていて、
19世紀にコーヒーの文化もやってきました。

ベトナムの国土はコーヒーベルトと呼ばれる赤道に近い地域で、
コーヒーの原料になる
コーヒーノキを育てるのにとても適しているんです。

ベトナムは今では世界1位の生産量・輸出量のブラジルに次ぐ
コーヒーの大国となりました。

ではなぜ私たちはベトナムに対してコーヒーのイメージがわかないのでしょうか。

それはベトナムで生産されているコーヒーの種類が、
ほとんどロブスタ種のコーヒー豆であることに由来しています。

コーヒーの豆には大きく分けてアラビカ種とロブスタ種があり、
アラビカ種のコーヒー豆は香り・風味が豊かですが病気になりやすく生産が難しく
希少性がありブランド化されますが、ロブスタ種は生産が容易ですが
苦みや独特の香りからストレートでは使われません

ロブスタ種のコーヒー豆は、インスタントコーヒーや缶コーヒー、
ブレンドのアクセントとして使われるのがほとんどです。

つまりブラジルやコロンビア、エチオピアではほぼアラビカ種のコーヒー豆で、
ベトナムの生産量の95%くらいがロブスタ種のコーヒー豆が占めていて
生産量のほとんどが欧州やアメリカ、日本などに輸出されています。

ベトナムから輸出されて余った残りのコーヒー豆が、
ベトナム国内で消費されているわけです。

みなさんがこれまで飲んできたコーヒーの中にひっそりとベトナム産の
コーヒー豆が使われていますがブランド化されていないので、
ベトナムのコーヒーのイメージが定着してこなかったのです。

独自の発展を遂げたベトナム(式)コーヒーの特徴

先ほどもお伝えしましたが、ベトナムで消費されている
コーヒー豆のほとんどは苦みがあり独特な香りのあるロブスタ種です。

なのでストレート(ブレンドしていない単一のコーヒー豆)の
ブラックコーヒーとかでは苦みが強いためそのまま飲むことはありません。

ベトナムのコーヒー豆は焙煎の時に、バターやチョコ、はちみつの
フレーバーが足されて販売されていることがほとんどです。

ベトナム式のコーヒーの特徴は、
フレンチプレスに似たフランスの伝統の金属製の独特なフィルターをグラスに乗せ、
カップ1杯あたり10~15分かけてゆっくりと抽出した
濃いめのコーヒーであることです。

フィルターは外側の入れ物部分と、
中ぶたと外ぶたの3つの部品からできていて、
中ぶたは中に入れるコーヒーの粉を押し付ける役目をしており、
押し付ける強さによって、コーヒーの濃さが変化します。

またベトナムではカフェオレ(ベトナム語でカフェ・スア)を淹れる時は、
温暖な気候から新鮮な牛乳が確保できなかったため、
牛乳ではなくコンデンスミルク(加糖練乳)を使います。

※現在は冷蔵庫などがありますが今も名残でコンデンスミルクを使います。

日本ではコーヒーにコンデンスミルクを加えた飲み方を
総称してベトナムコーヒーと呼んでいることが多いです。

ベトナムコーヒーを淹れるのに必要なもの

ベトナムコーヒーを淹れるには
次のものを準備するものは用意する必要があります。

  • ポット (フィルターに湯が注げればなんでもいい)
  • ベトナム式の金属製の専用フィルター
  • グラス (コーヒーカップでもいいが本場では透明なグラスが使われます)
  • コーヒーの粉 (レギュラーコーヒーの粉)
  • コンデンスミルク (練乳)

ベトナムコーヒーのコーヒーの粉は、
金属製のフィルターの穴より小さい粉だと
抽出するときに粉がグラスに落ちてしまうので、
フィルターの穴よりおおきな粗めの挽き具合の粉がいいです。

コーヒーの種類は、本場では厳密にはロブスタ種のものですが、
日本で手に入れやすいのはアラビカ種がメインのブレンドの粉です。

再現度を求めないのであれば、普段飲んでいるものや
スーパーなどで売っているものを購入するといいです。

ベトナムコーヒー(カフェ・スア)の入れ方

まずはコンデンスミルクをグラスの底が
見えなくなるくらいたっぷりいれましょう。

次にフィルターの外ぶたと中ぶたを取り外し、
12~15gくらいのコーヒーの粉をフィルターに入れます。

コーヒーの粉を入れた後は、
好みの濃さになるように中ぶたを取り付けます。

フィルターをグラスの上に乗せたら
コーヒーの粉が浸るくらいお湯を注いで、30秒間むらします。

むらし終わったらさらにお湯を注ぎ、
外ぶたを閉じてコーヒーの抽出が終わるのを待ちます。

コーヒーが淹れ終わるまで10分~15分ほどかかりますが
抽出が終わるまでじっと待ちます。

ハンドドリップに比べれば、専用の用具さえそろえると
簡単に作ることができるのがベトナムコーヒーのいいところだと思います。

ベトナムコーヒー(カフェ・スア)の飲み方

ベトナムコーヒーを淹れた直後は、
コンデンスミルクとコーヒーが層になって分かれています。

飲むときはコンデンスミルクとコーヒーをかき混ぜて、
味が均一になるようにします。

飲み口はコンデンスミルクの量にもよりますが、
甘口でくどい感じするかもしれません。

甘党の私はコーヒーの苦みがほとんどなくなってとても好みの味ですね。

アイスで飲みたいときは、別のグラスに氷を入れ、
できたベトナムコーヒーを注げば、アイスコーヒーで飲むことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

専用の器具さえそろえれば、
自宅でもベトナムコーヒーを入れることができます。

ですがまずは1回お近くのコーヒーショップや
ベトナム料理専門店などで試してみるのがいいと思います。

サンマルクカフェでは、エスプレッソにコンデンスミルクを加えた、
ベトナムコーヒーのメニュー(ホット、アイス)があるようです。

また千葉県のソウルフードとして人気の激甘なマックスコーヒー
加糖練乳が使われているのでベトナムコーヒーのような味を体験できます。

簡単にご家庭でベトナムコーヒーの雰囲気を体験したい人は、
コンデンスミルクにインスタントコーヒーを混ぜてみてもいいかもしれません。